年の瀬も近づいてきたこの季節、今年度取材の最後をかざるのは江別市にある「香彩園」さまです。
穏やかな話口からは想像できない、並々ならぬ商品作りへのこだわり。
「自分が納得するまで徹底的に味・素材の研究をおこないました―」
その情熱は真にいいものをお客様にお届けしたい、という思いから。
未経験の分野で奮闘する代表のお話は、人生の向き合い方にも通じる内容でした。
取材の熱量そのままに、お届けしてまいります。
香彩園の山崎代表にインタビュー
株式会社 香彩園 代表 山崎貴博さん
取材:ライズ北海道 山本、後藤(撮影)
創業の経緯
〔香彩園 代表 山崎貴博さん〕
ライズ北海道-山本)ついに雪が降ってきましたね。外の寒さを吹き飛ばすインタビューにしたいと思います。(取材日:2021年11月25日)
山崎代表)そうですね、なんでも聞いてください(笑)。
山本)さっそくですが、御社の歴史を伺ってもよろしいでしょうか。
代表)もともと、ここ「香彩園」はラーメン屋でした。現会長が平成初期に創業し、いくつかの事業を行っておりました。その中にチャーシューの製造があり、世の中の流れとともに事業をスリム化していこうということで、チャーシュー製造に特化する形で事業展開を行っていったという形です。
〔主力商品のチャーシュー、お酒のお供に最適だ〕
山本)なるほど。御社HPを拝見いたしましたが、とっても美味しそうなチャーシューの写真があったのはそういうことなんですね。
代表)ええ。以前は麺の製造なども行っていました。平成10年代半ばに、チャーシューに特化する形での事業展開を行ったという形ですね。今回取り上げていただいた「豚キムチ」も原料は全く別ですが以前に製造していたものなんですよ。
山本)当初から山崎代表は経営に携わっていらっしゃったんですか?
代表)いえ、もともと会長が道内の某スーパーにて購買担当の役職者としていたんですが、私はそこに新入社員として入社した形です。その後、私の家業である豆腐屋を継ごうと考えていたのですが、残念ながら閉業しまして。
山本)そうだったんですか。もともと「食肉部門」のご担当をされていたとか?
代表)いえ、全く(笑)。「鮮魚部門」の担当でした。いずれは家業を継ぐつもりだったのですが、家業の閉業もあり、次の道を探していた時に会長から声を掛けて貰いました。当社の後継者を探しているということでお誘いを頂き、飛び込んでみたという形です。
山本)全くの畑違いだったんですか!相当大変だったのでは?
代表)正直、しんどかったですね。特に、当時の工場長は職人気質の方だったので、「見て覚えろ」と。自分でタレを何度も味見して、手順をみて、自分なりに再現してみて、という繰り返しです。以前からいらっしゃる従業員の方にもアドバイスを頂きながらも、ついていくのが精いっぱいでした。夢にまで出てくるほどでしたから(笑)。
山本)ブルース・リーではないですが、まさに「Don't Think, Feel!」の精神ですね(笑)。お肉の勉強もそこからですか?
代表)そうなんです。肉そのものも、数十軒のお肉屋さんに実際に足を運び、産地・部位の特徴や違いを教えてもらい、メモを取って徹底的に勉強をしました。
山本)苦労の末に納得のゆく味に仕上がったということで、感動もひとしおですね。
〔秘伝のタレは継ぎ足しで作られる〕
豚キムチ丼とノーステック財団の支援について
代表)そうですね。そうしてチャーシューが軌道にのり、その後、私自身が代表として就任したぐらいのタイミングで、会長からこんな話があるよ、ということで開発したのが今回の「豚キムチ丼」でした。
〔今回ご紹介する「豚キムチ丼(左)」120gの大容量〕
山本)そこでノーステック財団の支援があったわけですね。支援としてはどういった内容だったんですか?
代表)包装資材などの開発資金援助やバイヤー様へのご紹介などでご支援いただきました。商品開発だけに留まらず、開発後も改良などに向けた支援を頂き本当に感謝しています。実際、支援の話がなければ「豚キムチ丼」の完成は無かったと思います。
山本)開発後も支援があったんですか。それは今後支援申し込みを検討されている方々にも参考になるお話ですね!開発に際してのこだわりなどお聞かせいただけますか?
代表)先ずは原料です。道産の食材のみでつくるというところですね。「道産豚肉×南幌産キムチ」という構想で走り出した商品になっています。
山本)北海道を味わっていただこうということですね。味のコンセプトはどういった形で?
代表)私自身もともと辛い物があまり得意ではないので、そういった方にも、また、辛いものが好きな方にも召し上がっていただけるような味を求めて試作を重ねました。食べ方に関しても、調理に時間をかけることが難しい家庭が多いかなということから、湯せんだけでお召し上がりいただけるよう工夫をしました。
商品開発のこだわりについて
〔自分が納得するまでトコトンと話す山崎さん(右下)と加工風景〕
山本)随所にこだわりが光りますね。商品を拝見いたしますと、かなりボリューム感がありますが、そこも代表のこだわりですか?
代表)そうなんです。「豚キムチ丼」と謳っている以上、肉の量を落としてコストを下げる選択肢は最初から排除しました。“お肉・キムチたっぷり”で満足感の高い商品づくりをすることでお客様に良い商品をお届けしたいという思いです。
山本)確かに袋いっぱいに詰まっていて、これならがっかりするということは絶対にないですね(笑)。商品づくりのこだわりは本商品以外にも?
代表)そうですね。私自身、豆腐職人だった父の影響もあり、中途半端な商品をお客様に出したくないんです。そのためには労力も惜しみませんし、徹底的に研究をします。「いいものを最高の状態で召し上がって頂きたい―」が私のモットーです。
山本)だからこそ多くのリピーターがいらっしゃるんですね。最後に、購入されるお客様にむけて一言お願いします。
お客様へのメッセージ
(満足のいく商品に仕上がりましたと話す山崎さん)
代表)安心・安全には注意はしたうえで、満足頂ける商品づくりを行った「豚キムチ丼」です。今後ご購入いただける間口も広げて参りますので、どうぞご賞味ください。
どうしても利益にフォーカスが当たりがちな昨今、自分自身が納得のいくところまで商品づくりを行いたいと話す山崎代表。
ビジネス面の話はどうしても苦手で、と笑いながら話をしてくださった一方、真っすぐな瞳で「自分が納得していない商品をお客様に出すことはできませんから」とその信念を語ってくださいました。
大黒柱のチャーシューづくりはもちろんのこと、今回の「豚キムチ丼」もその想いを前面に取り入れた商品で、「食べれば笑顔になっていただける商品です」と力強いPRを頂きました。
この機会に、こだわりの道産食材でつくられた豚キムチ丼、どうぞご賞味ください。
(ライティング:後藤蓮、編集:後藤蓮、山本純己)
企業情報
◆企業名|株式会社 香彩園
◆住所|江別市文京台43-17
◆電話番号|011-386-0081